私たち友安製作所は、ものづくりのまちである大阪府八尾市に本社・工場を置き、インテリアやエクステリア、DIY用品などなど、くらしに関わるアイテムを製造、販売しています。「世界中の人々のくらしを彩る企業でありたい」という想いのもと、これまで様さまざまな商品やサービスを展開して参りました。

今、世の中は大量生産、大量消費が当たり前で、ものが溢れています。そんな中で私たちは、もう一度ものづくりの原点に立ち返り、本当にお客さまのくらしに彩りを加えるものとは何か、本当のものづくりとは何かを見つめ直し、製品づくりに取り組んでいます。そして、今求められているのは「作る責任」。すなわち、末長く使い続けることができ、使う人が愛着を持てるような、確かな品質とデザイン性、作り手の思いが備わったものづくりではないかと考え、このプロジェクトを始めました。

長年、椅子を作ってみたいという思いがあり、ただ「座る」だけではなく、それ以上の価値を付けられないかと考えました。そこで、「遊べる」家具をコンセプトに「木琴」の要素と、使わない時も飾っておきたくなる「オブジェ」の要素を加えてデザインしました。木琴という発想は、公園などにある木のベンチが木琴の音板に見えたところからです。 実は木琴は、夏休みの工作でも作れるくらい、簡単に作れてしまうものです。しかし、「もし将来、自分の子どもに使ってもらうなら、本物の音に触れて欲しい」という思いから、プロの演奏者が使う木琴を作っている一流メーカーのものにこだわりました。

実際の製造にあたっては、子ども椅子としてのサイズ感と、木琴として美しい音を出すためのサイズ感の両立が非常に難しかったです。箱入りの木琴というのも前例がなかったので、必要な強度や構造などを友安製作所さんや協力企業さんに何度も試行錯誤を重ねていただき、ようやく形になりました。 YAOYA PROJECTを通して、八尾の企業のすばらしい技術力を目の当たりにしました。今回のシロフォンチェアをきっかけに、八尾のものづくりの魅力を世界中に発信し、新しいものづくりが生まれることを願っています。